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看護師インタビュー|看護師のキモチ

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言葉にできない“心の声”にしっかりと気づいてあげたい。|神経難病4病棟 古橋 真紀子

PROFILE

昭和62年、浜松市生まれ。
天竜病院附属看護学校を卒業後、天竜病院へ。
神経難病4病棟に配属されて7年目。趣味はドライブ。

動けない、話せない患者さんと
コミュニケーションをとることの難しさ

 中学生の頃、介護老人ホームの体験学習に行ったのですが、高齢者のお世話をすることが純粋に楽しくて、将来は医療、介護、福祉関係の職業に就きたいなと感じました。幅広い世代の患者さんの看護をしてみたいと思い、看護師の道を選びました。

 卒業と同時に天竜病院に就職し、神経難病病棟に配属されて7年目になります。神経難病とは、パーキンソン病や脊髄小脳変性症など、いわゆる原因不明の重い病気で、全介助を要する患者さんがほとんどです。自力で手足を動かすことができない方が多いので、点滴、呼吸管理などのほか、食事介助やおむつ交換、散歩など、治療と生活の両面からの看護、ケアが主な仕事です。

 また、多くの患者さんが言葉を発することが難しく、身体の一部を使って合図することしかできないため、いかにコミュニケーションをとるかが大事。患者さんのちょっとした目の動きでわかることもありますが、できない場合は、五十音図のボードを使いながら、「この患者さんは何をしてほしいのか」を読み取ります。健常者なら「あれを取って」と1秒もかからない言葉が、神経難病の患者さんは10分も15分もかかります。それほど大変な苦痛を強いられる病気なのです。

常に患者さんの気持ちになって考え、
寄り添い、行動する

神経難病4病棟 古橋 真紀子

 私がいつも心がけているのは、常に患者さんの気持ちになって考え、言葉にできない“心の声”にしっかりと気づいて、寄り添うということ。痛みや痒さはもちろんですが、洋服の背中のシワひとつでも、気になる方がいらっしゃいます。「自分がこの患者さんだったら、どう感じるだろう?」と考えると、必然的に気配りできるようになります。

 思い通りに身体を動かせない、言いたいことが言えない、そんな患者さんとの意思の疎通は確かに大変です。でも、だからこそ、通じ合えたときの喜びは大きいのです。患者さんも「わかってくれたんだ」と感じて嬉しいでしょうし、私も「理解できた」という満足感があります。患者さんと関わることで、教えられることも多く、日々やりがいを感じています。

神経難病4病棟 古橋 真紀子

患者さんとしっかり向き合い
生活の質を向上させる

 神経難病は不治の病とも言われ、元気になって退院できる病気ではありません。だからこそ、私たち看護師はその患者さんのために何ができるのかを模索し、QOL(生活の質)を向上させていくことが求められます。

 新人の頃、はじめて終末期の患者さんを受け持ったときのことは忘れられません。まだ知識も経験も未熟で、何かしてさしあげたいのに、どうしていいのかわからない。しかも、当時の私には気持ちの余裕がなく、日々の業務に追われてしまい、看護が後回しになることもありました。車椅子に乗せたり、食事の介助などもしましたが、結局その患者さんは亡くなられました。よく足を運び精一杯やりました。でも、「もっと何かできたのではないか」、「もっと時間をかけて向き合うべきだったのではないか」と落ち込み、後悔の念にかられました。

 先輩に相談すると、「患者さんにも個性があり、求めることはみんな違うから、看護にこれという正解はないの。看護師の役割は、“生きよう”と努力する患者さんにやさしく寄り添い、ひとり一人が持つ自己治癒力を最大限に引き出し、患者さん自身が病気と向き合えるようにすることよ」とアドバイスしていただきました。それ以来、「今、目の前にいるこの患者さんが本当に望んでいることは何か」を考え、観察し、寄り添うようにしています。スタッフにも救われ、日々向上を誓い努力しています。このときの学びが私の原点で、今でも時々振り返ります。

ママになっても
一生看護師を続けていきたい!

 天竜病院は、長期療養されている患者さんが多いので、いい意味で、家族みたいな関係になれます。あたたかい方が多いですよ。先生、先輩看護師、スタッフもみんなあたたかいです。自然がいっぱいで、空気がきれいな環境だからかもしれませんね。

 産休・育休を経て職場復帰しているママ看護師も多く、お互いに協力し合って、勤務体制を調整しています。結婚、出産を機に退職する人はほとんどいないので、それだけ働きやすい職場といえるのでしょう。

 私もつい先日結婚したばかりなので、仕事と家事を両立させることが当面の目標です。夜勤もあり、主人が掃除や洗濯などに積極的に協力してくれるので助かっています。もちろん私も子どもを産んでからも、一生この仕事を続けていくつもりです。

 看護師になって7年目。ある程度の経験も積んできたので、今後は何かの1つの分野のスペシャリストになるべく、専門的な知識を身につけて、スキルアップしたいと思っています。チャンスがあれば、今とは全く違う分野、たとえば重心や児童精神、結核も経験してみたいですね。0からのスタートで大変かもしれませんが、自分が成長するきっかけになればいいなと思います。

神経難病4病棟 古橋 真紀子

 看護師に向き、不向きはないと私は信じています。相手の立場になってものごとを考えられる人、人としてのやさしさ、思いやりの心がある人なら大丈夫です。知識やスキルは後からいくらでも増やせます。それよりも必要なのは、明るさと元気。看護師が暗いと、患者さんまで暗い気持ちになってしまいます。看護師の明るい表情、元気な声だけで、患者さんは勇気をもらえるのですから。

 最近は携帯電話やメールなどの影響で、人と会ってコミュニケーションを取るのが苦手な人が多いと聞きます。看護の基本は、人と接し、話し、寄り添うことです。明るくて、元気なあなたと一緒に仕事ができる日を楽しみにしています。

看護師インタビュー

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